この記事は、ジャズピアノを学ぶ初心者向けに書かれています。
前回はダイアトニックコードについて解説しました。
今回はジャズで最重要のⅡ-V-Ⅰ進行とサークルオブ4th(5th)について学びます。
前回の内容
>>レッスン5 『コードの基本③ダイアトニックコード』
この記事の信頼性
ジャズでよく耳にするⅡ-V-Ⅰ進行とは?
Ⅱ-V-Ⅰについては前回少しだけ触れました。
ここでは、Ⅱ-V-ⅠをⅡm7-V7-Ⅰ△7として扱うことにします。



Cメジャーキーのダイアトニックコード
Ⅱm7-Ⅴ7-Ⅰ△7は、全てダイアトニックコード(4和音)上のコードです。
主要和音のⅠ△7、Ⅳ△7、Ⅴ7のうち、Ⅳ△7がⅡm7に置き換わっているんでしたね。



それは、ルートが完全4度上進行となることです。
完全4度上進行は、もっとも力強い進行です。
言い換えると、解決する方向に進みやすいということです。
例えば、Dm7-G7-C△7であれば「DとG」、「GとC」
それぞれが完全4度上進行となります。
F△7-G7-C△7だと、「FとG」は長2度の進行で、あまり解決力は強く感じられないでしょう。
それではここで、完全4度上進行についてもう少し詳しく見てみましょう。
注意ポイント
わざわざ完全4度上と書いているのは理由があります。
例えばCから見てFは完全4度上ですが、完全4度下の音はGになります。
それらを区別するために、完全4度上と書いています。
完全4度上と同じ意味になるのは”完全5度下”です。
サークルオブ4th(5th)とは?
サークルオブ4th(5th)は完全4度上進行をつなげたものです。



反時計回りで見るとサークルオブ4th
時計回りで見るとサークルオブ5th
となります。
正直呼び名はどちらでも良いのですが、ジャズでは反時計回りのサークルオブ4thで覚えることが一般的です。
反時計回りで隣同士の音は、全て完全4度のインターバル(音程)であることを示しています。
C→F→・・・→G→C→・・・と、無限につなげることが可能です。






ジャズでは♭系がほとんどですね。
#系はGやDくらいです。
また、D♭やG♭を#表記にすることも少ないです。
サークルオブ4thでⅡ-V-Ⅰも簡単にわかる!
サークルオブ4thを見ればわかる通り、3つ隣り合わせの音は、Ⅱ-V-Ⅰになります。




完全4度上進行が連続するアプローチってある?
あります。
例えば、Benny Greenの演奏動画(曲:Cottontail、配信元:YouTube)のイントロはD7→G7→・・・C7→F7と進んでいます。
この曲のKeyがB♭なので、その手前がF7となるように調節しています。
ビバップではよく使われるアプローチです。
おこぼれ話
余談ですが、ドラクエの曲でも、完全4度上進行の連続は結構出てきます。
気になる方はYouTubeで「ドラクエ、完全4度」で検索してみましょう。
Ⅱ-Ⅴ-Ⅰとサークルオブ4th(5th)のまとめ
Ⅱ-V-Ⅰはジャズではとても重要です。
なぜなら、断片的であれ、多くの曲にこの進行が含まれているからです。
そのため、アドリブで用いるⅡ-V-Ⅰフレーズ集も多く出版されてきました。






ただし、あまり良くないフレーズ集も過去出回ってきたので注意が必要です。
また、音源付属は必須です。
ジャズ無窮動トレーニング(CD付)はおすすめです(ある程度のピアノ経験は必要)。
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ある程度慣れてきたら、自分が好きなプレイヤーのフレーズを耳コピしてみましょう。
そして、自分だけのⅡ-V-Ⅰフレーズ集を作りましょう!
今後、当サイトでも、実践的なフレーズなども紹介していきたいと思うので、併せて読んでいただけると嬉しいです。
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【ジャズ】本当に実践で使えるフレーズ集【2-5-1など】