今回は、ジャズで最重要のⅡ-V-Ⅰ進行とサークルオブ4th(5th)について学びます。
前回の内容
ジャズでよく耳にするⅡ-V-Ⅰ進行とは?
Ⅱ-V-Ⅰについては「ダイアトニックコード」の解説で少しだけ触れました。
ここでは、Ⅱ-V-ⅠをⅡm7-V7-Ⅰ△7として扱うことにします。
Ⅱm7-Ⅴ7-Ⅰ△7は、全てダイアトニックコード(4和音)上のコードです。
主要和音のⅠ△7、Ⅳ△7、Ⅴ7のうち、Ⅳ△7がⅡm7に置き換わっているんでしたね。
Ⅳ△7-V7ではなく、Ⅱm7-V7となると何が良いのでしょうか?
それは、ルートが完全4度上進行となることです。
完全4度上進行は、もっとも力強い進行として知られています。
言い換えると、解決する方向に進みやすいということです。
例えば、Dm7-G7-C△7であれば「DとG」、「GとC」それぞれが完全4度上進行となります。
F△7-G7-C△7だと、「FとG」は長2度の進行で、あまり解決力は強く感じられないでしょう(コードの機能は同じなので、それなりの解決力はありますが)。
それではここで、完全4度上進行についてもう少し詳しく見てみましょう。
わざわざ完全4度上と書いているのは理由があります。
例えばCから見てFは完全4度上ですが、完全4度下の音はGになります。
それらを区別するために、完全4度上と書いています。
完全4度上と同じ意味になるのは”完全5度下”です。
サークルオブ4th(5th)とは?
サークルオブ4th(5th)は完全4度上進行をつなげたものです。
反時計回りで見るとサークルオブ4th
時計回りで見るとサークルオブ5th
となります。
正直呼び名はどちらでも良いのですが、ジャズでは反時計回りのサークルオブ4thで覚えることが一般的です。
反時計回りで隣同士の音は、全て完全4度のインターバル(音程)であることを示しています。
「C→F→…→G→C→…」と、無限につなげることが可能です。
図中の赤で示したものが、ジャズスタンダードでは多く見られるKeyです。
ジャズでは♭系がほとんどですね。
#系はGやDくらいです。
また、D♭やG♭を#表記にすることも少ないです。
サークルオブ4thでⅡ-V-Ⅰも簡単にわかる!
サークルオブ4thを見ればわかる通り、3つ隣り合わせの音は「Ⅱ-V-Ⅰ」になります。
C-F-B♭、F-B♭-E♭・・・、ほんとうだ!
完全4度上進行が連続するアプローチってある?
あります。
例えば、Benny Greenの演奏動画(曲:Cottontail、配信元:YouTube)のイントロはD7→G7→・・・C7→F7と進んでいます。
この曲のKeyがB♭なので、その手前がF7となるように調節しています。
ビバップではよく使われるアプローチです。
余談ですが、ドラクエの曲でも、完全4度上進行の連続は結構出てきます。
気になる方はYouTubeで「ドラクエ、完全4度」で検索してみましょう。
Ⅱ-Ⅴ-Ⅰとサークルオブ4th(5th)のまとめ
「Ⅱ-V-Ⅰ」はジャズではとても重要です。
なぜなら、断片的であれ、多くの曲にⅡ-V-Ⅰ進行が含まれているからです。
そのため、アドリブで用いるⅡ-V-Ⅰフレーズ集も多く出版されてきました。
初心者であれば、フレーズ集から学ぶのも”あり”です。一冊くらいは手元にあっても良いと思います。
ただし、あまり良くないフレーズ集も過去出回ってきたので注意が必要です。
また、音源付属は必須です。
ジャズ無窮動トレーニング(CD付)はおすすめです(ある程度のピアノ経験は必要)。
- コードトーンそのものがわかる
- 実践的なフレーズを学べる
- ジャズスタンダードのコード進行を学べる
- リハーモナイゼーションも少し学べる
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すでにKindle Unlimited会員の場合は、無料で読めるので迷わず使いましょう!
ある程度慣れてきたら、自分が好きなプレイヤーのフレーズを耳コピしてみましょう。
そして、自分だけのⅡ-V-Ⅰフレーズ集を作りましょう!
ほかの記事で実践的なⅡ-V-Ⅰフレーズを紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
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