タイム感・リズム感ってよく耳にしますが、どういう意味なの?
「タイム感が良い」
「タイム感が悪い」
ジャズを始めて間もないころ、先輩やプロの方がこの単語をよく使っていたのですが、正直どういうものなのかイマイチ理解できていませんでした。
“前ノリ”とか”後ノリ”なんて言葉もでてきてチンプンカンプン。
ジャズを続けていくうちに、その意味をおぼろげながら理解しました(多分)。
ということで、わたしなりに解説したいと思います。
*人によって定義は異なります。個人の考えです、悪しからず。
ジャズにおけるタイム感とは何を意味するのか?
タイム感とは、音を決まった長さで持続する能力のことです。
言葉だけではわかりにくいので、図で説明します。
音には音価(音の長さ)があります。
上図の長方形のボックスが、四分音符一つ分の音価だとします。
そして、四分音符が四つあった場合を考えてみましょう。
タイム感が良い例では、音価が揃っているのがわかります(長方形のボックスは全て同じ長さ)。
一方、タイム感が悪い例では、一つ一つの四分音符の音価がバラバラになっています(長方形の長さが揃ってない)。
タイム感が悪い例で弾いたら、きっとヨレヨレの印象を受けるはず。
このように、タイム感とは音価を揃えられ、かつ持続できる能力を意味します。
前ノリと後ノリ・レイドバックについて
ついでに前ノリと後ノリ・レイドバックについてもカンタンに解説します。
先ほどの例では、メトロノームのクリック音が鳴った時の瞬間を”ジャスト”のタイミングとし、良い例として説明しています。
しかし、ジャストのタイミングで弾くのが正しいのかというと、そうではありません。
ジャストのタイミングより常に少し前に弾くことを前ノリと言います。
曲の途中で、”一時的”に少し前に弾く場合はレイドバックと言います(前ノリと区別しない場合もあるかもしれません)。
反対に、ジャストのタイミングより常に少し後ろで弾くことを後ノリと言います。
どれが正解なんですか?!
ジャスト、前ノリ、後ノリどれも正解です。
音価さえ揃っていれば、あとは自分が好きなタイム感を選べばいいのです。
場合によっては、曲の場面が変わる瞬間にタイム感を変えることもあります。
しかし、通常はタイム感はその曲を演奏しているときは常に一定のことが多いです。
リズム感とは?
リズム感という言葉もありますよね?タイム感と何が違うのですか?
ジャズでは拍子を変化させる演奏がよくあります。
3拍子⇒4拍子⇒3拍子のようにです。
もちろん、アドリブでも行うことがありますが、そういった拍子の変化を自由自在に操れる能力がリズム感です。
また、4分音符を8分音符や16分音符に正確に割符できる能力もリズム感の一つです。
リズムに関する書籍の紹介 ”ジャズの「ノリ」を科学する”
最後に、面白そうな本があったので紹介します。
ジャズの「ノリ」を科学するという本です。
ジャズに関するコードやスケールなどの知識については、これまで多くの書籍が販売されてきました。
コピー譜なども今は多くありますよね。
しかし、リズムについて深く考察した書籍はほとんどありませんでした。
科学的に検証するとなれば尚更です。
- 音は合ってるのにジャズっぽくない
- なんかダサいリズムになってしまう・・・
そんな悩みがある人にとっては、この本に書かれていることが勉強になるかもしれません。
医者でジャズピアニストでもある著者の井上裕章氏が、ジャズミュージシャンの「ノリ」について詳細に研究した事例が紹介されています(特にチャーリーパーカーは必見!)。
ジャズではタイム感やリズム感がかなり重要だから意識しよう
タイム感・リズム感が悪いと、音の並びとしてはかっこいいフレーズを弾いても、下手な演奏に聞こえてしまいます。
さながら酔っぱらいの千鳥足のような演奏とも言いましょうか…
そんな風に思われるのは嫌だな…
リズムについても勉強しなきゃ!
プロとアマチュアの圧倒的な違いの一つに、リズムの正確さが挙げられます。
リズムを疎かにすると必ず後悔することになるのでご注意ください。
メトロノームに合わせて練習するのは難しいし億劫ですよね?
私もサボった期間が長く、気持ちはとてもよくわかります笑
けど、のちのち必ず後悔します。
メトロノームでの練習を習慣化して、カッコいい演奏ができるように頑張りましょう!
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