この記事は、ジャズピアノを学ぶ初心者向けに書かれています。
前回はメジャースケールについて学びました。
今回はヴォイシング(voicing)について学びましょう。
ヴォイシングとは音を配置することです。
そして、それを弾く(伴奏する)ことをコンピング(comping)やバッキング(backing)と言います。
この記事を読むことで、最も基本的なヴォイシングの一つである3ノートヴォイシングを理解できます。
ぜひ最後までお読みください。
3ノート・ヴォイシングとは?
3ノート・ヴォイシングとは、最もシンプルな音の積み重ねの一つです。
特にソロピアノを弾く時に便利です。
また、プロも普通に使うヴォイシングです。
バド・パウエルっぽい風に演奏したいときにもよく使います。
3ノートヴォイシングは、「ルート(R)、3度(3rd)、7度(7th)」の音で構成されます。
ここではⅡm7-V7-I△7を例に説明します。
Dm7の7th(ド:短7度)が半音下がると
G7の3rd(シ:長3度)になります。
Dm7の3rd(ファ:短3度)は
G7の7th(ファ:短7度)となり変化しません。
G7の3rd(シ:長3度)は
C△7の7th(シ:長7度)となり変化しません。
G7の7th(ファ:短7度)が半音下がると、
C△7の3rd(ミ:長3度)になります。
文字だとややこしい!
そうですね(汗)
細かいところは置いといて
必要最低限の動きでコード感を出している
ということだけ覚えてください。
さて、Ⅱm7の3rdがトップの場合はどうでしょうか?
基本的な考え方はパターン①と変わらないので、説明は割愛します。
しかし、こちらも必要最低限の動きであることがわかりますね?
2つのパターン①②を12Keyで練習しましょう。
つまり、2パターン×12Key = 24通りです。
…少し大変かもしれませんが、地道に練習しましょう。
サークルオブ4th(5th)の順番で練習することをおすすめします。
なぜなら、ジャズでは4度上行進行が頻出するからです。
3ノートヴォイシングで覚えておきたいこと3つ
3ノートヴォイシングについて、覚えておきたいこと3つを解説します。
- ルートは最も基本になる音なので弾く
- 3rdと7thはそのコードの性質を決めるのに重要なので弾く
- 5thは共通する音だから、”そこまで”重要ではない(後述)
ルートは最も基本になる音なので弾く
まず、ルートはコードの”土台の音”です。
なので、これは*必要”。
*ベーシストがいる場合、基本的にはルート(ベース)を弾くので、ピアノは弾かない場合も多いです。
しかし、ベーシストが弾くから”弾いてはいけないということにはならない”ので注意!
同じ音であっても、ピアノが出す音色とベースが出す音色は違います。
また、”全体を引き締める”、”音に厚みを出す”、”はっきりコード感を出す”ためにも使用します。
「ピアノはルートを弾いてはいけない」というデマをたまに聞くので、注意しましょう!
3rdと7thはそのコードの性質を決めるのに重要なので弾く
3rdと7thは、それぞれ二種類あります。
- 3rd・・・短3度と長3度の2種類
- 7th・・・短7度と長7度の2種類
理論的にはこれらの組み合わせの数だけパターンを作れます。
しかし、まずはⅡm7-V7-I△7″を覚えましょう。
5thは共通する音だから、”そこまで”重要ではない(後述)
5thは共通する音なので、ピアノは弾かなくても良いと説明されることが多いです。
例えば、Dm7とD7の5thはどちらも”ラ”で同じ音。
同じ音なので、Dm7とD7を区別する音ではないということになります。
※厳密には、減5度も考える必要がありますが、ここでは取り扱いません。
5thを”そこまで重要ではない”としたのは、音の厚みを出したりするのに使用することがあるからです。
確かに使う頻度は少ないかもしれませんが、使ってはいけないという意味ではありません。
「”使ってはいけない”と思って弾かない」のと、「あえて弾かない選択をした」のでは雲泥の差があります。
枯葉のコード進行で3ノートヴォイシングを体験!
せっかくだから、3ノート・ヴォイシングを体験してみたいなー。
それでは”枯葉”のコード進行で3ノートヴォイシングを体験してみましょう!
一部、学んでいない箇所もありますが(Gm6など)、今はあまり気にせず弾いてみましょう。
PDFファイルと音声ファイルから確認してください。
※著作権の関係でメロディは載せていません。
「パターン①、パターン②を両方取り入れるため」かつ「譜面の読みやすさ」を考慮して、あえて最後は音を高くしている点に注意してください。
これだけでも、曲の流れ(雰囲気)は掴めるのではないでしょうか?
それだけ、ルート、3rd、7thの役割は大きいのです。
練習のまとめ
3ノートヴォイシングを理解したら色んなジャズスタンダードの曲で練習してみましょう!
- All The Things You Are
- But Not For Me
- Bye Bye Blackbird
- I Could Write A Book
- I’ll Close My Eyes
- Now’s The Time
- There Will Never Be Another You
スタンダード集はジャズスタンダードバイブル(黒本)を使えばOKです。
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