「ピアニストの脳を科学する 超絶技巧のメカニズム」について、ざっくり書評します。
この本は2012年に発売されて、おもしろそうだったので割とすぐに購入した記憶があります。
あらためて読み直してみましたが…内容すっかり忘れていました(笑)
そりゃそうですよね。
一回読んだくらいだと記憶に定着しませんし…(^_^;)
この記事では、最初のサワリの部分だけ紹介したいと思います。
本当におもしろい本なので、興味があったらぜひ読んでみてくださいね。
こちらの記事は、以前noteで掲載していた内容です。
ピアニストは脳を巧みに利用している
さて、ピアニストの華麗な指さばきを見ると
「なんて凄い手なんだ、羨ましい、取り替えたい!」
と思う人もいるかもしれません。
しかし、手を取り替えたところで実は意味がありません。
実際、手を動かしているのは”脳”なのですから。
脳が司令塔となって、腕や指の筋肉に「動け」という指示を出しているわけです。
そして、この「動け」という指示を出すのが神経細胞です。
神経細胞が活動すると、指の筋肉に電気信号が送られ、筋肉が収縮(伸び縮み)し、指が動きます。
そして複雑な動きであるほど、より多くの神経細胞が活動します。
ここまでで読んでみると何となく、「ピアニストの方がピアニストではない人に比べて、神経細胞の数が多くて、活動量も多そう」と思いませんか?
確かに、小脳における神経細胞の数はピアニストの方が5%も多かったそうです。
通常1,000億個程度らしいですが、その5%は50億個なので影響は少なくなくないでしょう。
しかし、”活動している”神経細胞の数については意外な結果が出ました。
以下、引用です。
同じ速さで同じ指の動きをしているにもかかわらず、活動している神経細胞の数は、ピアニストのほうが、音楽家でない人よりも少ないということがわかったのです。(中略)「ピアニストの脳は、たくさん働かなくても複雑な指の動きができるように、洗練されている。」
ピアニストの脳を科学する 初版7,8貢より
ピアニストの方が、神経細胞が活発に働いていそうですが、実は逆でした。
ピアニストの方が”活動している”神経細胞の数は少なかったんです。
つまりは、ピアニストの脳には余力があって、ピアノを弾かない人にとっては難しく複雑な指の動きも、可能な限り省エネ状態で行うことができるということです。
本書では他にも脳科学の視点で、興味深い内容を多数解説しています。
- ピアノの練習による脳の変化
- ミスを修正する仕組み
- ”モーツァルトを聞くと頭がよくなる”の真偽
- 暗譜のメカニズム
- 初見演奏の仕組み
- フォーカル・ジストニアの治療法
- ピアニストの省エネ術
- 即興演奏の仕組み
- 超絶技巧の仕組みetc…
その他、ピアニストなら気になる内容が盛りだくさんです。
おまけ話もおもしろい:ピアノを毎日4時間弾くと、手の移動距離は1年間で490km?!
おまけで、キャッチーな内容を紹介します。
ピアノを毎日4時間弾くと、1年間でどれくらい移動することになると思いますか?
・・・実に、490km!!
おおよそ東京から大阪までの直線距離が510kmであることを考えると、とてつもなく長い距離であることがわかります。
編集後記:ピアニストの脳を科学する
さて、今回は「ピアニストの脳を科学する」をカンタンに紹介しました。
ピアニストの脳に焦点を当て解説した本は殆ど無いので、ぜひ一度読んでみてほしいです!
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