今回は、コンビネーションオブディミニッシュスケール(半音/全音ディミニッシュスケール)について学びます。
前回のレッスンはこちら👇
コンビネーションオブディミニッシュスケール(コンディミ)とは
コンビネーションオブディミニッシュスケール(略:コンディミ)は、音程が半音と全音が交互に出てくるスケールで、ジャズ特有のスケールです。
コンディミはディミニッシュスケール同様、3種類しかないので覚えやすい部類のスケールです。
ディミニッシュスケールは全音・半音の繰り返し、コンディミは半音・全音の繰り返しなんだね!
その通りです。覚えやすくていいですよね
ディミニッシュという名前こそついていますが、基本的には7thコードで使用します。
7thコード | スケールの型 |
---|---|
C7, E♭7, G♭7, A7 | Cコンビネーションオブディミニッシュスケール型 |
D♭7, E7, G7, B♭7 | D♭コンビネーションオブディミニッシュスケール型 |
D7, F7, A♭7, B7 | Dコンビネーションオブディミニッシュスケール型 |
例えば、E♭7ではCコンビネーションオブディミニッシュスケール型と音の並びが同一です。
コンビネーションオブディミニッシュスケール型をE♭から始めれば、E♭コンビネーションオブディミニッシュスケール型となります。
それではスケールを音源で聞いてみましょう。
Cコンビネーションオブディミニッシュスケール
C#(D♭)コンビネーションオブディミニッシュスケール
Dコンビネーションオブディミニッシュスケール
の順に流れます。
コンディミはオルタード系、リディアン系それぞれの7thコードで弾いても問題ありません。
コンディミはオルタードスケール、リディアン7thスケールのテンションを含み(上の画像参照)、相補的な関係にあるからです。
そうなの?じゃあもう7thコードは全部コンディミでいいじゃん!
スケールはそれぞれ別の世界観を表すから同じではありません。
そもそも同じだったらスケールを分ける必要ありません。
めんどくさいから「とりあえずコンディミ弾けばいいか!」と考えるのは良くないです。。
あくまで選択肢の一つとして捉えてほしいです。
ちなみに海外では
ディミニッシュスケールのことを全音/半音ディミニッシュスケール
コンビネーションオブディミニッシュスケールのことを半音/全音ディミニッシュスケール
と呼びます。
そういえば、ディミニッシュスケールも2つのディミニッシュコードで出来てるよね?ある意味これだって、コンディミじゃないの?
良いところに気が付きましたね!
ディミニッシュスケールだってディミニッシュコードの組み合わせで出来ているんだから、コンディミじゃないか!という意見は最もです。
そのため、最近ではディミニッシュスケールを全音/半音ディミニッシュスケール、コンディミを半音/全音ディミニッシュスケールと分けて呼ぶ人もいます。
これならちゃんと明確に区別することができますからね。
・・・しかし、それだと名前が長ったらしいですよね。既に”コンディミ”という名称も定着してしまっているので
日常ではコンディミと言って問題ないです。
コンビネーションオブディミニッシュスケール(コンディミ)を使った例
それでは実際にコンディミを使用した例を説明します。
コンディミをそのまま弾く場合
コンディミはそのまま弾いても、割とジャジーなサウンドになります。
Wynton Kelly(ウィントン・ケリー)やHerbie Hancock(ハービー・ハンコック)などは結構スケールチックにコンディミを弾くことがあります(もちろん他のプレイヤーもですが)。
例えば、以下のフレーズはBlue Mitchellの名盤「Blue’s Moods」中の”I’ll Close My Eyes”でWynton Kellyが弾いているフレーズです(03:43~)
最初から3小節目2拍裏までAコンディミスケールを弾いているのがわかります。
スケールを上行しているだけで、シンプルなフレーズですよね?
しかし、それだけでも結構ジャズっぽく聞こえてしまうので不思議なものです。
Chick Coreaはコンディミの使い方が抜群にうまい
コンディミはシンメトリカル(対称性)なスケールであるため、どこか機械的で単調になりがちです。
例えば、決まったモチーフを短3度ずつ弾くとか…やりまくるのも良くないかなと。
Chick Corea(チック・コリア)は一聴してコンディミとわからないようなフレーズを弾くので、そのセンスには驚かされてばかりです。
例えば、彼の代表作「Now He Sings, Now He Sobs」中の”Matrix”では次のようなフレーズを弾いています(00:04~)。
譜面2小節目の4拍裏のG♭、3小節目の1拍中のC以外全てB♭コンディミの音で構成されています。
このように、使い方次第でスリリングなサウンドも生み出すことができます。
因みにMatrixはFブルースです。
ジャズ研C年の時に初めて聞いたときは全く分かりませんでした。
まとめ
コンディミのまとめです。
- コンディミは半音→全音の繰り返しからなるスケールで3種類だけ
- 7thコードでオルタードスケール、リディアン7thスケールの代わりに弾ける
- そのまま弾いてもジャジーなサウンドになるが、単調にならないように注意
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