【ジャズ】ヴォイシングの基本『Aフォーム・Bフォーム』とは

独学初心者向けジャズピアノレッスン16_ヴォイシングの基本_Aフォーム・Bフォーム

今回はジャズのヴォイシングの基本、Aフォーム・Bフォームを学びます。

前回のレッスンはこちらです。

目次

ジャズピアノで必ず学ぶ、Aフォーム、Bフォーム

3ノートヴォイシングは以前勉強したけど・・・ Aフォーム、Bフォームとかいうヴォイシングもあるって聞いたよ!(教えて)

  • Aフォーム・・・3rdを下、7thを上に積んだフォーム
  • Bフォーム・・・7thを下、3rdを上に積んだフォーム

C△7を例に説明します(譜面はト音記号を想定)。

左:Aフォーム 右:Bフォーム

左は3rdが下にあり、その上に5・M7・9が積み重ねっています。
これがAフォームです。

右は7thが下にあり、その上に9・3・5が積み重ねっています。
これがBフォームです。

3rdと7thのどちらが下にくるか
Aフォーム or Bフォームが決まります。

今回はC△7で説明しましたがCm7だろうが
C7だろうが基本的な考え方は同じです。

3rdと7thのいずれかが下にきて、あとはテンションを加えればいいんですね!

考え方がわかったところで、ジャズでよく出てくるコード進行に則って練習しましょう。

Ⅰ-Ⅵ7-Ⅱm7-V7

Ⅰ-Ⅵ7-Ⅱm7-V7(俗にイチロクニーゴー)は、OleoI Got Rhythmのような曲で出てくる、循環と呼ばれる王道コード進行です。

「Ⅰ-Ⅵ7-Ⅱm7-V7-Ⅰ-Ⅵ7-Ⅱm7-V7・・・」
と無限に回すことができます。

memo

曲の終わり(エンディング)で、この進行を繰り返すことも定番です。

その時は、ⅠをⅢm7にすることが多いです。
(Ⅲm7はトニックの代理コードです)

[ ]内の数字は度数を表しています。

パターン①ではAフォーム→Bフォームが交互に現れます。
パターン②ではその逆です。

モンモン

これにより、手の移動が最小限になっています。

音の跳躍が少ないことで、和声が滑らかにつながります。

パターン① V7が、ナチュラルテンションの例(左)オルタードテンションの例(右)
パターン② V7が、ナチュラルテンションの例(左)オルタードテンションの例(右)
モンモン

これを12Keyで練習します

ここでは、例を6つ挙げます。

12Keyでの練習(今回は6つの例)

残りの6つのKey(G♭,B,E,A,D,G)でも同様に作ってみましょう!

リズムパターン

以下の2つをまずはやってみましょう。

2分音符のパターン

2分音符 表打ち

これは和音の構成音をしっかり聞くための練習です。
シンプルに1拍目・3拍目で二分音符を弾きます。

裏打ちパターン

裏打ち(シンコペーション)

二拍目の裏、四拍目の裏に弾きます。
半拍先取りしてコードを弾きます。

これをシンコペーションと言って、推進力を生みだす効果に一役買っています。

シンコペーションを説明するには、強拍・弱拍の説明が必要ですが
「半拍早く弾いてスピード感出しているんだー」
くらいに思ってくれれば大丈夫です。

因みにこの裏打ちパターンはRed Garland(レッド・ガーランド)のスタイルで有名です。

memo

一説によると、Ahmad Jamal(アーマッド・ジャマル)のプレイを真似したとも言われています。
Miles Davisがレッド・ガーランドにアーマッド・ジャマルのような弾き方を要求したとかしないとか…。

練習期間と練習のコツ

練習期間の目安は1カ月~2カ月くらいですが、ピアノ経歴や練習できる時間で差は出てきます。

モンモン

最初は覚えるのがとにかく大変…
自分も苦労した記憶があります。

しかし、練習を継続すれば必ずできるようになります。

少し話は反れますが、因数分解を学んだ時のことを思い出してみてください。

因数分解は中学3年で学びますが、あれを習ってすぐに問題を解けましたか?

モンモン

自分はできませんでした(泣)

けど、ドリルで練習問題をたくさん解くうちに、瞬間的に答えを導き出せるようになったんですよね。

これと同じです。

とにかく継続と反復練習に尽きます。

最初は大変ですが、楽しくジャズを続けられるように頑張りましょう!

練習する上での注意点

ヴォイシングを練習する上での注意点はつぎのとおり。

  1. 譜面にカタカナなどで音名を記入しない
  2. わざわざ譜面化しない
  3. 電子ピアノ使用者は、ある程度大きい音で弾く
  4. メトロノームを使用する

カタカナなどで音名を記入しない

これは自分も最初の頃やっていました。

C△7のときはミ・ソ・シ・レとか・・・

書き込みたくなるのはよくわかります。

しかし、それでは紙に覚えてもらっている状態なので
いざ演奏となったときに瞬間的に弾けません。

C△7と見たら一瞬でAフォームもBフォームも
どちらも押えられるようにしなければなりません。

これは、スポーツに似たところがあり
「こう来たら、こう対処する!」
というような反射神経が必要です。

わざわざ譜面化しない

これは先ほどの内容と被りますが
わざわざ譜面化する練習もおすすめしません。

実際はコードネームを見てヴォイシングをするのであって
音符を見て弾くわけではないからです。

書くとしても一例だけにしましょう。

それを基準に自分の頭で考えて移調しましょう。

これはフレーズの練習でも同じです。

よく、フレーズ集で12Key全てを書いているものを見かけますが
はっきり言ってあまり意味がないと思います。

大体の場合、ただのページ数稼ぎでしょう。

例えば、クラシックで使用する教本のハノンコルトーも一例しか書いてませんよ?
しかし、12Key(全調)でやることを推奨しています。

つまり、自分の頭で考えて移調しましょうねということです。

モンモン

「当時は全調書くのが大変だったからじゃない?」という声も聞こえてきそうですが…。

そうだとしても、わざわざ全調全く同じ音型のものを作るのはナンセンスです。

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電子ピアノ使用者は、ある程度大きい音で弾く

ヴォイシングの練習に限りませんが
音量は大きめで練習したほうが良いです。

たまに小さい音で練習する人がいますが
あまりおすすめできません。

何となく弾けてる気がしてしまうのと
実際どういう音が鳴っているか把握することが困難だからです。

それぞれの音がはっきり聞こえる程度には音量は出しましょう。

近隣の関係もあると思いますが
ヘッドフォンをするなりして練習しましょう。

メトロノームを使用する

メトロノームは使いましょう。

最初はテンポ♩=80くらい、4Beatで練習すれば大丈夫です。

慣れてきたら、メトロノームのクリック音を二拍目、四拍目に
合わせて練習してみましょう。

iReal Proでの練習がおすすめ!

さまざまな楽曲のコード進行が載っている「iReal Pro」であればコード進行を自分で作成して
ベース・ドラムを鳴らすことが可能です。

ピアノも鳴らせますが、自分が弾くから不要ですね(笑)

これを使えば、単調なヴォイシング練習も楽しくできると思います。

Ⅱ-Ⅴ-Ⅰのようなシンプルな進行であれば予め収録されていたりするので
自分で作る必要もないです。

i Real Proの例

そもそも、何百という数のジャズスタンダードの
コード進行が収録されているので、それだけでもかなり便利です。

モンモン

もちろん、移調もカンタンにできます!

テンポやリズムパターンも自由に設定できるので
至れり尽くせりです。

アプリとしては少しお高めですが
ジャズを今後続けていくのであれば
購入しても損しません。

練習のまとめ

Aフォーム、Bフォームはちゃんと練習すれば誰でも身に付けることができます

私の場合、中島久恵氏のモダンジャズピアノレッスン1を使用して、毎日練習しました。

モンモン

最初はしんどいですが、だんだん慣れてきます。

これができるようになると
セッションの参加もしやすくなります。

初見でもなんとかコードは押さえられるようになる
すなわち伴奏(ヴォイシング・コンピング)できるからです

また、スタ本に載ってる大体のコードが弾けるようになります。

複雑なものについては、その時に新たに覚えれば大丈夫です。

今回、ここでは紹介しきれていないパターンも結構あるので
ぜひ参考にしてほしい本です。

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この記事を書いた人

MonMonのアバター MonMon ジャズピアニスト

当サイトの管理人のMonMonです。
都内近郊でのライブやセッションホストをしています。
ジャズピアノに興味がある方に向けて、情報発信をしています。

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