この記事は、ジャズピアノを学ぶ初心者向けに音楽理論を解説しています。
まずは音名・音程について学びましょう。
前回の記事をお読みでない方はこちらを参考にしてください。
レッスン1 『ジャズピアノを始める前に・ジャズとクラシック』
この記事の信頼性
音名とは?ドレミファソラシドのこと



音名というと、少し難しい言葉に聞こえるかもしれませんね。
しかし、簡単です。
音名とは「ドレミファソラシド」のことです。




その通りです。
サウンド・オブ・ミュージックで流れる曲として有名ですね。







この曲は、ドイツ民謡「池の雨」という曲です。
音名は言語によって呼び方が違う
「ドレミファソラシド」には、言語によって様々な呼び方があります。
それぞれ見てみましょう!
イタリア語式 | ド | レ | ミ | ファ | ソ | ラ | シ | ド |
日本語式 | ハ | 二 | ホ | へ | ト | イ | ロ | ハ |
英語式 | C | D | E | F | G | A | B | C |
”ド”の音は日本語式では”ハ”と呼ばれます。
”ドレミファソラシド”は”ハニホヘトイロハ”に相当します。
”ハニホヘトイロハ”は耳にしたことのある人も多いのではないでしょうか?
たとえば、指の基礎練習で使用される教本で定番中の定番のハノン。




スケール練習のページには、"ハ長調"や"イ短調"のような表記があります。
その頭文字の"ハ"や”イ”が日本語式に当たります。
しかし、ジャズで覚えておきたいのは英語式の方です。
”ド”の音は、英語式では”C”と呼ばれます。
”ドレミファソラシド”は”CDEFGABC”に相当します。
コードの表記は英語式であるので、これを覚えましょう。
CDEFGABCは、ピアノの白鍵にあたります。







黒鍵の場合は、#(シャープ)か♭(フラット)をつけます。
- 例① Cの半音上はC#
- 例② Dの半音下はD♭
C#もD♭も音としては同じです(難しい言葉で、異名同音といいます)。
ポイント
とりあえず、「半音上がる時は#、半音下がる時は♭をつける」と覚えておきましょう。



ジャズ研よもやま話
因みに私がジャズ研にいた時、飲み会の勘定を音名でやってました。
たとえば「本日の飲み代はE千です!」「と言ったら、「本日の飲み代は3,000円です!」という意味になります。
因みに、この時の読み方はドイツ語式になります。
CならCと呼びます。ややこしいですね、別に覚えなくていいです(笑)
続いて、音程について学びましょう。
音程とは?2つの音の高さ(距離)の違い



音程とは、二つの音の高さ(距離)の違いを表します。







全音と半音とは?



例えば、上の図の場合、CとC#は鍵盤1個分離れていますよね?
これを半音と呼びます。
CとDは鍵盤2個分離れており、これを全音と呼びます。
この二つの用語は覚えましょう!
白鍵のCDEFGABC(ドレミファソラシド)を順番に弾くと、ハ長調(Cメジャースケール)となります。
長調とメジャースケールは同じ意味です。
ハ(C)の音から順番に弾くので、ハ長調(Cメジャースケール)と言います。
このとき、それぞれの音程は「全音・全音・半音・全音・全音・全音・半音」となります。







ポイント
スケールは、連続する音程のパターンを表している!
そして一つパターンがわかれば、12調(12Key)すべてに当てはめることができます。
例えば、二長調(Dメジャースケール)の場合はどうなるでしょう?
Dから「全音・全音・半音・全音・全音・全音・半音」で弾けば、Dメジャースケールとなります。



注意ポイント
白鍵をDから順番にDEFGABCDと弾いたらDメジャースケールになりません。
スケールというものは音程の並び方で分類されているからです。
Dから順番に白鍵の音程を調べてみましょう。
「全音・全音・半音・全音・全音・全音・半音」とはならないはずです。
この例ではDメジャースケールではなく、Dドリアンスケールと呼ぶのが一般的です。
これはチャーチ・モード(協会旋法)というものを学ぶ必要があるので、一旦忘れてください。
音程と度数の関係
ここから音程と度数の話をします。
度数とは、音程を表す単位のようなものと思ってください。
音程は、以下のパターンが考えられます。






完全1度はユニゾンとも呼ばれ、音程は同じです。
上の例の場合、ドとドを表します(音符が一つしか載っていませんが、重なっていると考えてください)。
短2度はCとD♭、長2度はCとDですね?
鍵盤の距離が近い(短い)のが短2度、遠い(長い)のが長2度です。
短3度、長3度も同様の考えでOKです。
完全4度は、長3度が半音広がった音程です。
増4度は、完全4度が半音広がった音程です。
減5度は、完全5度が半音狭くなった音程です。
増4度と減5度はその機能からトライトーンという名前がついています。







完全5度以降は、上記と同様に考えてください。
最後に、音程の種類と度数の関係をまとめておきます。
種類 | 度数 |
---|---|
完全音程 | 1度、4度、5度、8度 |
長音程 | 2度、3度、6度、7度 |
短音程 | 2度、3度、6度、7度 |
増音程 | すべての度数 |
減音程 | すべての度数 |







この”完全”という言葉の意味は、音と音の協和している程度が他のものより高いんだなーくらいに思ってください。
音程とは、物理学では音の周波数比で・・・って話をすると、難解なのでスルーします。
ジャズピアノを弾く上でそこら辺の知識はなくても大丈夫です。
もし気になる場合は音律と音階の科学という本が参考になります。
著者の小方厚さんは、ビーム物理の研究者でありながらビブラフォンも演奏される方だそうです。




余談
ジャズスタンダードの場合、キーはC、F、B♭、E♭、A♭、Gが圧倒的に多いです。
これは管楽器の吹きやすさに大きく影響を受けていると思います。
フロント楽器が主役だったので、彼らが吹きやすいキーが中心になるのも無理はありませんね。
音名・音程のまとめ



今回は、初心者の方には少し難しかったかもしれません。
一度に完全に理解しなくても大丈夫です。
私も最初は”完全”とか”長短”の意味がよくわかりませんでしたが、勉強するうちに自然とわかるようになりました。
もし、あまり理解できてなくても、次に進んでしまう方が効率がいいです。
あとあと点と点がつながってきますから。
それでは次のレッスンに進みましょう!