今回はテンション(Tension)について解説します。
前回のレッスンはこちらです。
テンションとは?
ジャズはテンションが必要っていうけど、そもそもテンションって何ですか?
気分アゲアゲ~↗的な意味?
ここで言うテンションはそういう意味ではありません。
テンション(Tension)という英単語にはそもそも「緊張」という意味があります。
基本的な和音の上に、特定の音を積み重ねることで
緊張感を持ったサウンドを感じさせることができます。
この特定の音をテンションノート(通称テンション)と言います。
ジャズはもちろん、POPSなどのジャンルでもごく普通に使われています。
テンションの種類は大きく分けて、9th・11th・13thの3種類
テンションは大きく分けると
9th・11th ・13thの3種類あります。
Root・3rd・5th・7thは勉強したからわかるけど、それは初めて見る!
それがわかっていたら、テンションも理解できます!
C△7を例に説明します。
下の図を見てください。
C△7の構成音はC・E・G・Bです。
コードは基本的には3度ずつ積み上げて作りますが
C△7の場合、Cメジャースケールから導くことができます。
Bからさらに3度ずつ積み上げると
D・F・Aの順に積み上がります。
これがテンション(ノート)です!
テンションは、スケール中の、コードトーン以外の音です。
図では、それぞれ2nd・4th・6thと書かれています。
その下に、9th・11th・13thと書いてあります。
これらは同じ意味だと考えて差し支えありません。
- 2nd = 9th
- 4th = 11th
- 6th =13th
としてOKです。
これを1オクターブ内におさめると次の図のようになります。
スッキリしましたね。
これらのテンションを使用することで
おしゃれでジャジーなサウンドを作り出すことができます。
テンションの種類をもう少し細かく見ると・・・
テンションの種類は大きく分けると3種類ですが、さらに細分化されます。
種類 | ナチュラル テンション | オルタード テンション |
---|---|---|
9th系 | 9th | ♭9・#9 |
11th系 | 11th | #11 |
13th系 | 13th | ♭13 |
基本的にこれで全てです。
先ほど例に挙げたものは、ナチュラルテンションです。
しかし、オルタードテンションというものもあります。
オルタード(alterd)とは変化したという意味を持ちます。
文字通り、ナチュラルテンションから変化したものを指します。
例えば、♭9thは、9thを半音下げたテンションです。
先ほどの図にオルタードテンションを足すと下図のようになります。
感覚的に意味はつかめるのではないでしょうか?
7つも選択肢があるのかー、迷うなー。
全てのテンションが使用可能なわけではなく、メロディーとの相関や、コードの機能で使えるテンションは限られます。
M7thコードにおいては、11thはアボイドノート(Avoid Note)です。
アボイドノートとは、使用を注意する音という意味であり使用してはいけないという意味ではないことをお忘れなく(初心者がよく勘違いする点です)
メジャーダイアトニックコードのテンション
各コード | テンション |
---|---|
Ⅰ△7 | 9・(#11)・13 |
Ⅱm7 | 9・11 |
Ⅲm7 | (9)・11 |
Ⅳ△7 | 9・(#11)・13 |
V7 | 9・♭9・#9・#11・13・♭13 |
Ⅵm7 | 9・11 |
Ⅶm7(♭5) | 11・13 |
ほんの少し実践的なことを話すと、Ⅰ△7・Ⅳ△7のテンションについてはカンタンに覚えられます
それぞれルートから長2度上のメジャーコードを使えると覚えればいいのです。
例えば、C△7であれば、ルートはCであり、その長2度上はDです。
なので、D△の音が使用可能です。
C△7での9thはD、11thはF#、13thはAなので、D△と全く同じです。
マイナー7thコードでは基本的には9thと11thが使用可能です。
V7のテンション多くないですか!?
オールスター勢ぞろいみたいな感じ・・・
ドミナント7thコードはトニックへ解決するものもあれば、そうではないものもあります。
どのような機能を有するかで、選択するテンションも変わってきます。
感覚的には、解決感を強くしたいものほど、オルタードテンションが使われるようになります。
テンションの表記の仕方
テンションの表記の仕方を説明します。
コードの一番右上に()でテンションを書き込めばOKです。
上の例ではC△7(#11)としています。
もし、9thも入る場合はC△7(9,#11)のようにカンマ区切りで表記しましょう。
場合によっては、C△9(#11)のような書き方をする人もいますが
何となく意味はわかるようになってきます。
まとめ
テンションはジャズのみならずポップスなど様々なジャンルで使える知識なので覚えておきたいですね。
テンションの使い方に関しては、スケールやそこから生じるアッパーストラクチャーの考え方が参考になります。
今回は、テンションそのものがどういう意味だったかだけ
理解してもらえれば大丈夫です。
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