…バッキングしなきゃ、バッキングしなきゃ、バッキングしなきゃーー!
少し落ち着きましょう(笑)
バッキング(コンピング)を常に弾かないといけないと思ってるあなた。
弾きすぎる必要はありませんよ。
その理由をわかりやすく解説します。
バッキングのし過ぎはNG!?こんなピアニストは嫌われるかも
ジャズを始めて、ある程度コードを理解し弾けるようになると、つぎのような現象が起こりがちです。
それは…
過剰なバッキング(コンピング)をしてしまうということです。
あなたは、”義務感”でバッキングをしてしまっていませんか?
「とりあえず何か弾かなきゃ!」という思いがどこかにあり、リードシートに書かれているコードを常に弾いてしまう…
心当たりがある方は要注意です。
フロントと演奏しているとき、フロントが急にフレーズ途中で吹くのを止めてしまい、「あれっ?」っとなったことありませんか?
私は何回も経験しています(笑)
録音を聞いてみると、フロントの邪魔をしてしまっていて、反省した記憶が多々あります(泣)。
特に初めて間もない初心者は、弾くことに一生懸命になりすぎて、周りの音が聞こえていないことがあります。
人と合わせて演奏する経験に乏しかったら尚更です。
バッキング中は聞き上手(名脇役)になろう!主役はあくまでソリストです
バッキングを行うリズム隊は、あくまでソリストの引き立て役です。
日常会話でも、絶えまないマシンガントークを聞かされたら、疲れてしまいませんか?
それと同じことがジャズのセッションでのバッキングでもよく起こります。
もちろん、リズム隊(ベース・ドラム)と息を合わせてリズムを出してソリストを煽ってみたり(マイルスバンドは必聴)、ソリストの演奏に反応してみたりすることは全然OKです。
しかし、ソリストとの会話が成立しないようなバッキングは避けるべきでしょう。
ソロ中で最も目立っている(or目立つべき)は、紛れもなくソリストです。
自分が目立ちたいなら、自分のソロ中で良いはずです。
セッションは奏者同士の会話が大事とよく言います。
ソリストが自分のストーリーを話しているのに、関係のない話を横からされたらあまり気分は良くないですよね?
それと同じです。
ソリストの演奏をよく聞いて、バッキングしましょう
先日、こんなツイートをしました。
【歌の邪魔ダメ】
名盤中の一曲ですが、04:20〜あたりからのスタンゲッツのオブリガードは、歌の妨害になっててあまり良くないと思ってます😅※スタンゲッツ自体が嫌いなわけではないです(モノによる)
Stan Getz & Joao Gilberto – The Girl From Ipanema https://t.co/vLsyYxTdfR @YouTubeより
— MonMon@JazzPiano (@MonMon_Studio) October 6, 2020
このツイートで問題にしているのはピアノのバッキングではなく、ボサノバ中のサックスのオブリガードについてなのですが、方向性としては同じ話です。
主旋律を引き立てるために演奏される短いフレーズのことです。
サックスなどの管楽器奏者がソリストの後ろで吹いてるやつです。
なんかボーカルとぶつかってるような
…音量もでかいし
そうですね、どちらが主旋律なのかよくわからない印象を受けますね(音量についてはマスタリングの関係もあるかもしれませんが)
ちなみに吹いているのはスタン・ゲッツという大御所テナーサックスプレイヤーです。
「そんな大御所の人が吹いてるならこれが正しいのかな?」…と思ってしまうかもしれませんが、さすがにこれはボーカルとぶつかっていると言えるでしょう。
「大御所がやっているから正しい」と決めつけるのではなく、自分の感性を大切にしましょう。
もちろん、私の意見を鵜呑みにするのもNG笑
もちろん、これを聞いて最高にハマってるぜ!と思うのであれば、それはそれでOKだと思います。
私としてはあまり良くないかなーと思っています💦
ボサノバでは”鼻歌気分”で単音フレーズを弾くのも効果的
ボサノバを例に挙げたので、ついでに補足です。
ボサノバではボサノバ特有のリズムがありますが、バッキングは必ずしもそのようなリズムや和音を弾かなくても大丈夫です(ボサノバの話に限りませんが)。
鼻歌を歌うように、メロディーが鳴っていない箇所で弾くだけで結構サマになるものです。
例えば、Corcovadoの00:43~,00:51~あたりで、ピアノが簡単なフレーズを弾いているのがわかると思います。
(コール&レスポンス)
技術的にはとてもカンタンそうですよね?しかし、それで演奏がかっこ悪くなっているでしょうか?
むしろ、あんなシンプルなメロディでボーカルを邪魔せず引き立てていて、粋なことをしているなーと思いませんか?
「音楽は派手なことをすればいい」という訳ではない好例かと思います。
ギターがいる時はギターに和音を任せて、ピアノは単音フレーズを弾く、もしくは全く弾かずに座っているだけというのもありです(逆も然り)。
休符も立派な音楽ですから。
まとめ
まとめです。
- 義務感でとりあえずコードを弾くのはやめましょう
⇒主役はあくまでソリストで、バッキングではソリストを引き立てる - 休符も音楽、場合によっては全く弾かなくても良い
⇒ボサノバでは鼻歌を歌うように単音フレーズを入れるのも効果的
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